京都の出版社の編集室と営業部からお届けします。
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茗荷
夏を代表する薬味の茗荷(ミヨウガ)。店頭のは、薄紫で全体に白っぽく育てられている。我が家の庭に繁茂しているのは、真夏の太陽をギラギラ浴びて、力強い深緑をしている。 毎年、祇園祭りの山鉾巡行の頃、初収穫となり、秋風の頃にもたくさん採れる。 「親に似ぬのは茗荷の子」。親株は、茎つきで売られている若い生姜の姿に似ている。1メートル近い背丈に育ち、その根元に生える。ほっておくと、先っぽからツボミが出て、淡いベージュ色の花が咲く。 茗荷(みょうが) ショウガ科ショウガ属の多年草。 香味野菜として、この季節には欠かせない。 ※〈美富子の絵手紙〉カテゴリでは、弊社代表黒川美富子が描いた季節の絵手紙を紹介しています。 『健康で安全に働くための基礎』に寄せて〈健康で安全に働くための基礎〉
健康で安全に働くための基礎 ディーセント・ワークの実現のために 細川 汀編著 A5判並製 定価1,680円(税込) ISBN978-4-89259-623-0 2010年5月刊 冨田素實江氏(働くひとびとのいのちと健康をまもる北海道センター顧問)による本書の推薦文を紹介いたします。 正規労働者が激減し、不安定雇用と非正規労働者が増大し、働く権利がないがしろにされていて労働者の健康診断の有所見率が51.3%(2008年)になっている現在、就労前の労働安全教育が必然になっています。 本書は、働く人たちが健康で働くための基礎的な知識と権利をわかりやすく書かれている木です。とくに、幅広い職種の職場や現場の安全と衛生に対する対応と制度・通達の活用の仕方、労働災害、職業病などの発生状況を著者が実際に携わった具体的な事例を示しながら、きめ細やかに教示されています。著者たちが『過労死』を出版され「過労死」が世界に注目されて30年が経ちますが、―向に過労死が滅るどころか、過労自殺など精神障害も増大しています。人間らしい労働をもとめて、仕事に就く前の高校生や学生を対象に「労働と生活」「人間と科学技術」「健康と権利」などすべてについて学んでほしいという著者の思いを強く感じます。 もちろん、働き始めた若者にも必読の本として推薦します。 祇園祭
7月の京都の街角には、あちこちから祇園祭のお囃子が聞こえてきます。17日の山鉾巡行を前に、鉾たてもはじまりました。 厄除ちまき 祇園祭ではそれぞれの山鉾から厄除けのお守りとして、ちまきが授与されます。このちまきは、食べ物ではなく、1年間の厄除けとして玄関の外側にお飾りしておくものです。 起こりは、八坂神社のご祭神・素戔鳴命(すさのをのみこと)が、旅の途中に一夜の宿を請うやとき、裕福な巨旦将来(こたんしょうらい)は宿を断り、貧しい蘇民将来(そみんしょうらい)はあたたかくもてなしました。素戔鳴命はそのお礼として、蘇民将来の子孫には疫病から免れさせることを約束し、その子孫の目印として茅の輪を腰につけさせたという故事によるといわれていています。 ※〈美富子の絵手紙〉カテゴリでは、弊社代表黒川美富子が描いた季節の絵手紙を紹介しています。 文理閣2010年7月の新刊情報
未来を拓く理数教育への挑戦 奈良女子大学附属中等教育学校 松田覚・吉田信也編著 A5判並製 定価1,995円(税込) ISBN978-4-89259-628-5 観察・実験が重視されない理数教育、公式や解法を暗記して問題を解くだけの数学教育など、「理数離れ」を招いている現実に正面から応えようと試みたスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、奈良女子大学附属中等教育学校の実践を大公開。 比較経営研究第34号 グローバリゼーションとBRICs 日本比較経営学会編 A5判並製 定価2,940円(税込) ISBN978-4-89259-629-2 日本比較経営学会とは、 「企業経営の理論と現実を市場・社会体制との関連で比較研究する」ことを目的に、1967年4月に創立されました。年次研究大会、部会の開催および学会誌の刊行などの研究交流事業を行っています。 これまでに『会社と社会ー比較経営学のすすめ』(文理閣 2006年)などが刊行されています。日本比較経営学会の概要、加入方法、連絡先については、日本比較経営学会のホームページをご覧ください。 宗教のないお葬式
宗教のないお葬式 考え方・実践・手引 柿田睦夫・北添眞和編著 A5判並製 143ページ 2010年1月刊行 ISBN978-4-89259-613-1 2010年1月に刊行いたしました『宗教のないお葬式』、おかげさまで大好評で、3刷目となっております。 龍澤寺(兵庫県高砂市)寺報「山家妄想」(2010年7月号)に掲載くださいました、水田全一住職様の書評を紹介いたします。 宗教のないお葬式 柿田睦夫・北添真和編著 文理閣 「あれよあれよという間に葬式代が高くなった/葬儀社にいわれるまま、無我夢中で過ぎてしまった/哀しむ時間もなかった/そんな後悔をしないために・・・」と、帯に記された「手引書」である。 「禅宗からはじまる仏教式の葬式」とふりかえり「仏教式の葬式を派手にすることはいくらでも可能である。・・・日本人の葬式が贅沢になったのも、仏教が葬式を担うようになったからである」といって、爆発的な人気を得た島田裕巳氏の「葬式は、要らない」と同様の立場であるかのように思い込みやすいが、この本は「『無宗教葬儀のすすめ』ではありません。つまり、宗教葬儀否定論の立場に立ってはいません」と明確に宣言する。「誰のため、何のために葬儀をするのか。原点に立ち戻れば視野も広がるのではないか(はじめに)」という思いで企画・編集されたという。 第一章では「心にのこる(のこった)葬儀」の実例を紹介する。そしてそこには①自由で創造的②友人や仲間が積極的にかかわることで、遺族の負担が軽減され、遺族がゆっくりと故人との別れ時間をもち、悲しみのときを過すことができた③葬儀業者と遺族や友人たちのコミュニケーションが濃密で、業者は遺族らの思いを受けとめ知恵をしぼっていると共通点を指摘している。 この共通点は①を除いて、無宗教の場合に限らず、あらゆる葬儀について必要とされるものであるが、さまざまの要因によってコミュニケーションが壊されることによって、「心にのこる葬儀」になりえていないのが現状である。いうなれば、この本はこの壊されたコミュニケーションをどのようにして取り返すかを考えるものであるといえよう。 第二章は「葬儀って何だ」と題した基礎知識編。法律の規制と歴史、形式と内容などを時代のありようの変化に即して解説する。それは、葬祭業者の実態や「料金の仕組みと落とし穴」に至るまで具体的である。そして、その分析は皮相なものではない。 例えば、最近よく話題になる、東京ではすでに三割に達したといわれている「直葬」については、九〇年代前半の直葬は、二、四%であった。それが短期間に一〇倍を突破するわけがない。「意識の変化」ではなく「葬式をしたくてもできない」人が急増している。「自分の葬儀代だけは、と貯めている人は少なくない。しかし老人家庭の場合、残された者の今後を考えると、その金に手をつけることはできない。「格差社会は、葬儀をも直撃している」というのである。 第四章は「宗教葬や伝統に学ぼう」である。 「作法のひとつひとつが、参列者に故人の死を受け入れさせ、別れの心を促す役割を果たし、儀式のメリハリにもなります」と、歴史に積み重ねられた重さや格式が宗教葬にはあると説き、初七日や四十九日も「遺された者がより集い、死を事実として受け入れ、悲しみを乗りこえて日常の暮らしに戻り、新しい生活をつくり出していく、そうした心の区切りを教える、先人の知恵」という。 いたずらに在来の葬儀を忌避するのではなく、現在の「葬儀」が失ってきているものを、死に逝く者と残された者の心に分け入って、とりもどそうとする試みを追求していることがわかるではないか。 最後には「無宗教葬」の準備から実践、体験記を紹介しているが、「無宗教」にこだわらず、宗教葬の場合も、改めてその形式内容を再確認する必要があろう。 葬儀の主役は故人と家族。葬儀への故人の意思を反映し、家族の参加を保障しながら、葬儀の雑務から家族を解放し、家族だけで故人をしのぶ「いやし」の役割を強める。それは、どのようにすればよいのか。 この書は、真剣にそのようなことを考えさせてくれるものであった。 巻末には「すぐに書き込める エンディングノート」が付されている。 目次を紹介する。①私の生涯・自分史 ②病気や介護のときのために ③葬儀や埋葬への希望 ④私のおつきあい名簿 ⑤私の財産や形見分け ⑥手続きしてほしいこと 解約や名義変更 ⑦家族への感謝のことば である。 「葬儀を考える・・・ それは、人生をふり返り、再発見し、そして家族を思うこと、つまり『これからをどう生きぬくのか』を考えることにつながるのではないでしょうか」という、「はじめに」のことばを実行するしおりとしての、編著者の親切の表現である。 「いまという時代に、どう人間の尊厳をつらぬき通して、その時を迎えるのか。」 いやおうなく「その時」に立ち会うことの多いわたくしたちにとっては、とりわけ重い問いかけであると考えるのです。(2010/04/05) グローバル世紀への挑戦
グローバル世紀への挑戦 文明再生の智慧 片岡幸彦・幸泉哲紀・安藤次男編 A5判上製 328ページ 定価2.940円(税込) 2010年4月刊行 ISBN978-4-89259-625-4 2010年7月7日付毎日新聞の記事に、『グローバル世紀への挑戦』が紹介されました。 また、グローバルネットワーク21(GN21)のサイトはこちら 文理閣2010年6月の新刊情報
いいだ・南信州大好き いいだ・南信州ガイドブック 安藤隆一編著 A5判並製 定価1,050円(税込) ISBN978-4-89259-628-5 飯田・南信州を知りたい、学びたい、訪ねたい人、必携の一冊です。 ダーウィンと進化論 唯物論と現代No.44 関西唯物論研究会編 A5判並製 定価1,470円(税込) ISBN978-4-89259-637-7 「唯物論と現代」は、1987年9月6日に結成された「関西唯物論研究会」の機関誌(年2回発行)です。 2010年図書目録
ご希望の方には、無料でお送りいたします。 文理閣 営業部までお申し付けください。 図書出版文理閣 営業部 〒600-8146 京都市下京区七条河原町西南角 TEL. 075-351-7553 FAX.075-351-7560 eigyo@bunrikaku.com 人間らしく働く意味と健康〈健康で安全に働くための基礎〉
健康で安全に働くための基礎 ディーセント・ワークの実現のために 細川汀編著 A5判並製 定価1,680円(税込) ISBN978-4-89259-623-0 2010年5月刊 高田勢介氏による本書の推薦文を紹介いたします。 人間らしく働く意味と健康 〔人間が健康に生きていくための基本的知識−ディーセント・ワーク−の実現とは〕 この本には、人間が健康にいきていくための基本的な知識として必要なことは、社会と健康、労働と人間生活との関係についてのしっかりした理解を持つことだ、ということがとてもはっきりと示されていると思いました。 労働基準法には、第1条に「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」と書いてあっても、これまで「人たるに値する生活」とは何かについてあまり深く議論されてこなかったように思います。今度の本では、いちばん初めにディーセント・ワークという考え方が提起されていて、人間らしい労働の在り方、そして健康を損なうことなくはたらく権利こそが人間の生きていく上で最も重要な価値をもつものだということが明らかにされたものでした。 〔働きはじめた若者、派遣労働やパート労働、請け負い、非正規雇用の人々の問題〕 今ほど労働の中で人間の尊厳が傷つけられてきている時代はなかったと思います。 「はじめに」では、働き始めた若い人たち、高校生、大学生にむけて書かれたとありますが、今、派遣労働とかパートや請負など非正規雇用で働いている人たちの労働の中で起きている問題を考えると、すべての労働者が改めて、人間らしく働くことの意味について考えることが必要になっているのではないかと思いました。 そのための基礎的な事実、基礎的な考え方を身につけ、そして何よりも身近なところで起きている健康の障害、困難と苦痛からどのように抜け出し、やり甲斐と満足の得られる労働を実現していくことができるかを考えるための手引きとして使っていくことの大事さを改めて感じさせられました。 このごろでは、労働組合の活動の中でも労働安全衛生法を活用した取り組みへの関心がもたれるようになってきています。 しかし、労働と健康についての基礎的な知識と健康を守る上での考え方をしっかりと理解することなしには、この法律を本当に有効なものにとして活用することはできないといえます。そうした活動の基礎としてもこの本は役立てられることになるのではないでしょうか。 そんなことを考えながら、この本がたくさんの働く人たちの間で学習のテキストとして普及していく必要があると思った次第です。 〔メンタルヘルスとうつ病−医療の場で大切なこと〕 私は退職して現場活動から離れて随分たちますが、個人的な関係の相談でいろんな人に会うことがありますので、この本をぜひ紹介して勉強してもらうようにしていきたいと思います。 個人的な相談の範囲でも今いちばん多く聞くのは、メンタルヘルス関係、うつ病と診断されたり、精神科にかかっていて仕事に出られなくなっている人が増えているという話があります。 ずっと昔、キーパンチャー病が大きな問題になってきた時代に、頚腕障害が整形外科では十分に対応できていなかったのと同じようなことが、いまではうつ病といわれている人達の精神科で受けている療養措置の上で起きているように見えます。 職場復帰に何度も失敗してけっきょく病気としてはひどく治りにくくなってしまうという人がたくさんでているようです。 この10年ほどの間にどんどん増えてきているうつ病は、これまでのうつ病とどう違っているのか、どのように違った扱いをしなければならないかがはっきりしていないのが問題のように思っています。 職場の関係と仕事の負担の中ですすんでいく疲労、過労から起きてくる体調不良の実態をあまりはっきりさせないまま、うつ状態という症状だけが問題とされ、うつ病としての精神障害の治療がおこなわれているのではないかという気がします。 精神障害の労災認定指針ではストレス脆弱性の理論が取り入れられ、業務の中にある精神ストレス負荷を発症要因ととらえる考え方が常識になってきているのに、実際の病気の治療の上では、こうしたことがほとんど問題となっていないようです。 厚労省が出しているストレス・疲労蓄積チェックリストや面接指導、事後措置の進め方など職場に広がる精神障害の診断、治療のために用意されたものが医療の現場では、全くといっていいほど活用されている様子がないのは不思議なことです。 こうしたことを考えてみると労働と健康の問題が医療の現場ではなかなかとりあげられず、医療というものが病気になった人々への対応だけですすめられ、どのように働きどのように健康を損なったかという立場から病気をとらえるという考え方が、医療担当者の中でもいまだにきちんと理解されていないのだと感じています。その意味でこの本は、医療に従事する人たち、これから医療の活動を目指す人たちにこそ真っ先に読んでほしいものと思いました。 職業病、労働災害の問題を医療活動の特別な分野というとらえ方ではなく、健康で安全に働くことを目指すという立場から見ていくことによって、これまではっきりしていなかった病気の原因や治療の方法が発見され、医学の進歩にもつながっていくのだということを理解してほしいものだと思っています。そのための「基礎」という意味でぜひ読んでもらうようにしたいと願っています。 労働安全衛生の読みやすい教科書〈健康で安全に働くための基礎〉
健康で安全に働くための基礎 ディーセント・ワークの実現のために 細川汀編著 A5判並製 定価1,680円(税込) ISBN978-4-89259-623-0 2010年5月刊 三宅成恒氏〈(財)京都労災援護財団・理事長〉による本書の推薦文を紹介いたします。 労働安全衛生の読みやすい教科書 近年、雇用や職場をめぐる様々な事件が多く報道されている。平成22年6月の新聞は、「雇用トラブル、全国で急増」と報道した。これから現実にぶつかる若い人たちにとって、職を得て世の中の荒波を無事乗り切っていくことができるるかどうか大いに不安をかき立てられることであろう。 本書は、若い人たちが「健康で安全」に働いてほしいと願う編著者ら日本の労働安全衛生科学の第一人者が、その到達点をやさしい言葉で書いた、いわば「教科書」のような本と言える。 教科書と形容すると、無味乾燥な、面白みのない「読み物」のように聞こえるが、決してそうではない。これから世に出ていく人たちにとって、これだけは最低おさえておくべき基本的な知識が書き込まれている。しかし、単なる知識の列挙でなく編集者らが長年、この分野において第一線の実践を重ね、練り上げ書きあげた一般向けの書籍である。すぐに実践に役立ち問題解決につながる知識(根拠となる法律や通達、事例など)が的確に網羅さている。また編著者らは、今日の日本が抱える問題の本質をとらえる確かな目と分析力を持ち、WHOやILOなどの世界的な動向も紹介している。「ディーセント・ワークの実現」は本著の基調となっており、本書を読むことによってその言葉をより深く理解することができるであろう。 また何よりも編著者らは、自らの実践を通して、日本の産業界が抱えている労働者の健康と安全をないがしろにする体質が本質的に変わっていないということを痛感し、その事実をできるだけ多くの若い人に伝えて、働くものの健康を守る運動を再興したいとの強い思いから出版にこぎつけたものと推察る。手にとってもさほど厚くない本の中にこのような内容が凝縮されており、読み勧めるほどに推敲の努力の跡がみられ、その丁寧な作りに感心させられかる。 |