京都の出版社の編集室と営業部からお届けします。
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東日本大震災復興 救援を 2
東日本大震災・原発事故から4ヶ月が経過した今も、その被害は拡大し続け、深刻な状況にあります。 一日も早い復興を願い、先日、紹介しました細川汀先生の「東日本大震災復興 救援を」絵はがきセットより、 絵はがきの中から3枚と、詩「昨日のような明日を」を掲載いたします。 「福島第1原発水蒸気爆発建屋」「2カ月も流されている漁船」 「まこもの口開け 復興の兆し」 十八歳のとき 私は空襲に会った 学校も寮も焼けた 屍体のころがっている岡山の町を歩いて行った 広島の近くで原爆のきのこ雲を見て 全身を火傷した友人の傷口に湧く蛆を拾った 一瞬のうちにふるさとを失った人たち 水がない 電気が来ない 暖房もガスもない 子どもたち 年老いた人たち 障害や病気の人 阪神大震災では多くの人を失った そして東北のはてしなくひろい被災地 津波は防潮堤をやすやすと越えて 家も車も船までもさらって瓦礫にした 生活のささえになる畑も港も失ってしまった そして海岸にたちならぶ原発が 科学者や企業の予想をはるかにこえて かれらの作った「安全神話」を完膚なきまでに うちのめした 被災者たちは一枚の毛布もない 暖房もない あたたかな一腕のみそ汁もない 避難所に肩を寄せながら寝ている 仮設住宅は何時出来るのだろう もちろん医者もくすりも来ない 放射能が水も土も野菜も魚も海も牛乳も じわじわ降り注いで逃げまどう村人が 難民となって移ってゆく町や集落 原発のなかでは数百人の労働者が パンとレトルトの食品 夜はバラックで雑魚寝 線量計も持たされず 健康診断もない 人間らしく生きる権利のない重層下請の 「非正規雇用の労働者」たち 政府も企業も頭を下げるばかり 東北の 全国の人々の勇気と ねばりと 行動と 啄木の歌った明日への希望に手をとりあって 立ちあがるよりほかに前途はない
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